「現金管理の真実」
新規でおいでになられたお客様の帳簿をみると、リアリティのない現金残高の帳簿をよく見かけます。
○月○日本日現金残高225万円也
「そのお金どこにありますか?」
と伺いますと
「そんなお金ありません。」
という答えが必ず帰ってきます。
わかっていてお聞ききするのですが・・・
中小零細企業の経理で最も面倒なのが現金の管理ではないでしょうか?
社長は一人何役もこなさなければなりません。
現場、営業、集金、請求書書き、支払い、銀行・・・・
「忙しくって現金なんて合わせてられるか(怒)」
社長の声が聞こえてきそうです。
それでも現金管理はしなければなりません。
ひとつ目は、税務署に疑われないために・・・
そう、現金管理のできていない会社は、売上のモレを疑われるのです。
現金管理ができていないと、意図的でなくてもモレる可能性があります。
そして、漏れが発覚すれば、重加算税という罰金が待っています。
意図的かどうかは税務署にはわからないからです。
ふたつ目は、会社(お店)を続けていくために・・・
集金したお金を帳簿に付ける前に、そこから経費も生活費も払いだしてしまえば、お金はすぐになくなります。
現金管理ができていないと、入ってきたお金が羽が生えたように消えていくのです。
そして、借入金の返済や税金の期日前には、資金繰りで苦しむハメになります。
じゃあ、どうすればいいのかって?
現金管理の手を抜く究極の裏ワザをお教えしましょう。
もちろん、税務署もナットクの方法です。
@キャッシュでの売上金には一切手をつけず、いったん、全部銀行に預けること。
理想は、毎日、前日の売上金を預ける。
無理でも手元に置いておくのは3日分まで。
預けた日の終わりには、その日の売上金だけが残るはず。
これを会社の現金残とします。
A銀行に預けるときに、別に経費の支払いと生活資金のため、切りのいい金額を口座から引き出す(5万円、10万円など)。
そのお金は、社長のポケットマネーとして、会社のお金と関係なくサイフに入れてください(社長に対する貸付金として扱います)。
生活費も経費もその中から払ってかまいません。
そして会社の経費となるものだけを領収書綴りに貼り、現金出納長の経費欄に記入し、同じ額を社長借入金として入金欄に記入します。
そうすれば、プラマイゼロで、経費の支払いは現金残に影響しません。
となると、預ける前の売上金だけが現金残として残っていくことになります。
Bポイント
キャッシュでの売上金からは絶対何も払わずそのまま預けること。
売上金から経費も生活費も払ってしまうから、何が何だかわからないうちにお金が消えていき、帳簿の現金残も合わなくなるのです。
経費も漏れることが多くなり、損します。
このやり方をマスターすると通帳が金庫代りになります。
それに通帳から定期積金をすれば、知らないうちにお金がたまります。
たいていの経営者は通帳残を見て資金繰りを考えるので、無駄な支出がなくなります。
注意点としては、通帳からお金をおろしすぎないこと。
毎月の利益からは借入金も返済しなければなりません。
無計画に引き出すと利益以上に使いすぎることになり、納税時期にかならずシワ寄せが来ます。
現金は必ず2回数えてください。
まだ銀行に預入していない売上金を数えるだけですから簡単です。
従業員さんがいる場合、現金残を合わせることは、不正防止にも役立ちます。
過去に、たった1年で1千万円以上現金が着服された例もあります(バレないとわかると金額も回数もしだいに多くなっていくのが常です)。
この方法がマスターできると、本当に帳簿付けが楽になります。
しかも、通帳に確実にお金がたまります。
ぜひ、チャレンジしてみてください。
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